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世界をおおうアメリカ軍基地
(2005/01/13) 

 世界中にアメリカ軍の基地はどれくらいあるのだろうか。どれくらいの兵士が世界に配置されているのだろうかと思い、インターネットで探してみたのですが、見あたらないので、昨年の暮れに作ってみました。PDF版とJPEG版があります。クリックすると大きな地図が現れます。(印刷する方は右クリックしてファイルをいったんPCに保存…Windowsのばあい…してください。 PDF版の方が品質はいいのですが、Adobe社のAcrobat Reader というソフトがインストールされていないとごらんになれません。)





PDF版 ←クリック

JPEG版 ←クリック

・ 作ってみてわかったこと

 まず、アメリカ軍基地の分布がひと目でわかるようなわかりやすい地図が、なかなか見つからない。
 いろいろな検索エンジンを使って探しましたが、ないのです。ひと目でわかるような資料をご存じの方はお教え下さい。アメリカ軍は、現在の地球の秩序を決定している大きな要素の一つですから、アメリカ軍基地の存在を肯定する立場からも、そのような資料はあった方がいいと思うのですが…。もしかしたら、「そんなものはない」という事実のなかに、ある意味が浮かび上がっているのかもしれません。

 次に、数字の大部分を引いてきた米国防総省発行の「基地造営物報告書」(BASE STRUCTURE REPORT)という文書の数字と本当の数字が大きく乖離しているところがある。太平洋上の島々にはアメリカ軍が多数展開していて、たとえばマーシャル諸島共和国のクワジェリン環礁は一般人の立ち寄りが禁止されたアメリカ軍の島で、3000人のアメリカ軍関係者が居住しているという記述を見つけたのだが、報告書には70と書かれています。アメリカ政府の公表した基地の報告書としてこの文書を教えてくれた「アメリカの軍事基地帝国」(チャルマーズ・ジョンソン、TUP速報242号)にも、この報告書について以下のように書かれていて、実際のところはわからないようです。

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以上の数値は驚くべきものだが、それでも全世界を覆う米軍基地のすべてを網
羅してはいない。

例えばコソボには、1999年にケロッグ・ブラウン&ルート社が建設し、そ
の後も維持管理を請け負っている巨大なキャンプ・ボンドスティールほか、い
くつもの米軍施設があるにもかかわらず、2003年度版『基地現況報告』に
はどれひとつ掲載されていない。

9・11以降2年6ヶ月の間に、いわゆる「不安定性の弧」の全域を通じて、米
軍は巨大な基地施設を建設してきたが、報告書はアフガニスタン、イラク、イ
スラエル、クウェート、キルギスタン、カタール、ウズベキスタンにある基地
についてはまったく触れていない。
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 現在15万人に膨れあがっている(地図を作ったあと増強された)イラクを除けば、アメリカ兵がたくさんいる国は、ドイツ、日本、韓国、イタリアの順になります。これは第二次大戦の敗戦国です。(韓国は別ですが、第二次大戦終結まで日本の植民地で、大戦後アメリカ軍が進駐した。)結局、第二次世界大戦で勝利したアメリカは、勝利とともに進駐した国にその後60年間居座り続けているわけです。アメリカ軍は一度進駐した国からは可能な限り撤退しないという習性を持っているようです。

 第二次大戦後、アメリカは、世界中に軍隊を展開し続ける理由を、ソ連・中国など共産主義勢力と対決せねばならないからだと言い続けてきました。うかつにも、私はある意味でその言葉を信じていたので、ソ連東欧圏が崩壊し、中国も資本主義化するなかで、21世紀は軍縮の時代になるかも…という期待を持っていた時期もあるのですが、それはまちがいでした。

 9.11事件を口実にしたアフガニスタン戦争、そして、ヨーロッパ諸国の政府すら反対する中で強行したイラク戦争の経緯を見ると、アメリカ軍が世界中にいるのは、彼ら自身が世界中に軍隊を派遣したがっており、彼ら自身の利益を追求するためだとしか考えられなくなりました。

 アメリカの指導者は「テロとの戦争は50年続く」と言っていますが、私には「テロを口実に50年間世界に軍隊を派遣し続けたい」としか聞こえません。9.11事件でもっとも利益を得たのは、世界中に軍隊を送り出したいアメリカ軍・軍需産業・好戦的なアメリカ政府だと思います。

 イラク戦争の中で、アメリカ兵は1,200人以上が戦死していますが、イラク人は何人死んだのでしょうか。各国報道機関による記事を丹念に収集し、死んだ人の数を数えている「イラクボディカウント」は2005年1月3日現在で最低15,289人としていますが、アメリカとイラクの大学が共同で行った、聞き取りを元にした統計学的な推計ではすでに10万人が死んだという報告もあり、私はこちらの方が真実に近いと思っています。

 冷戦が終わっても、世界を何度も殺し尽くすことのできるほどの核兵器を保有し続けるアメリカ。コソボへ、アフガニスタンへ、イラクへ、そして中央アジア諸国へと、派兵しては基地を作り続けるアメリカ。果たして世界に戦争とテロを蔓延させている「戦争の親玉」は誰なのか。本当の「テロリストの親玉」の名は何というのでしょうか。

 そのうちに、アメリカとの戦争で死んだ人間の数を書き込んだ世界地図をつくりたいと思っています。(ベトナム戦争では200万人のベトナム人が死んだのです。)


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